審査委員メッセージ

審査委員長からのメッセージ

審査委員長 第18回応募者に向けたメッセージ

アメリカ先住民の言い伝えに、今何をするにも、それが7世代先にどのような影響を与えるかということを考えて行動しなければならない、というのがあります。
日本でもアイヌの知恵として、自然界から得るものは、1/3だけ自分のため、1/3は子孫のために、1/3は自然のために分けなければならない、という考え方があります。
私たちは、得るもの全ては自分と自分たちの家族のために、と考えてはいないでしょうか。
私たちが「子ども」というとき、自分たちの子どものことばかり考えていないでしょうか。
私たちがキッズデザインというとき、それは今の子どもたちのことだけを考えたデザインではありません。私たちの手から、世界の子どもたちへ、さらにその先の先、7世代200年にわたる時間と、その過程で影響を受ける世界中の自然と生命との関係を考えたデザインができているでしょうか?

このままだと、今世紀末、皆さんのひ孫の時代には、地球に住める人間の数が今の1/10になってしまうという試算があります。そんな悲惨な未来を避けるために、今の欲望の2/3を手放すような、筋の通った潔いデザインを、世界の子どもたちに見せてあげられるといいですね。

キッズデザイン賞 審査委員長

益田文和

キッズデザイン賞 審査委員長 益田文和

東京造形大学デザイン学科卒業。
建設会社、デザインオフィスを経てインダストリアルデザイナーとして様々な製品のデザイン開発、地域産業のデザイン振興など国内外のプロジェクトに関わる。
1991年株式会社オープンハウス設立、代表取締役。

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